【制作事例】カレンダー

事例概要

毎年ひよこのもり工房で制作しているカレンダーについて、制作当初からの振り返りと使いやすいカレンダー制作のポイントについて記載します。
オリジナルカレンダーを作りたいと思っている方むけの記事です。

作ったもの

ひよこのもり工房では、毎年カレンダーを制作し、9月頃販売しています。(下図は2022年版)
制作当初の2014年版は主に自分・配布用で50部のみ作成していましたが、年々販売数が増え、2021年版は350冊程度、2023年版は400冊程度を販売しています。毎年使い続けてくださる方がいるからこそ、翌年も続けてここまでこれました。ありがとうございます。

良いものを作るために

誰のために作るか?を明確にする

制作当初、実は「自分のため」に作っていました。
自分はどんなカレンダーを欲していたかというと、「会社の卓上でたくさん書き込みして使える実用性とかわいいを兼ね備えたカレンダー」です。これを作って、自分も使って、周囲(会社などのリアル世界でお世話になっている人)に配って使ってもらおう、あわよくば1年間目にしてもらってキャラクターを知ってもらおうということで開始しました。

現在では会社に勤めておらず、周囲に配っていないため、若干目的が変容していますが「会社の卓上でたくさん書き込みして使える実用性とかわいいを兼ね備えたカレンダー」に重点を置いて作り続けています。
また、カレンダーは使い続けてくれる人であれば、1年ずっと目にする大事なものだと思っているので、良きものになるよう一番力を入れて作っています。

繰り返し改善する

これは、はじめに作ったカレンダーです。

はじめのこだわりは以下のとおりです。

  • 月曜始まりの卓上カレンダー
  • 絵は小さめ、書くところ大きめ
  • 配布用のため低ロット・低予算(50部)

このあと、使いやすいカレンダー、もっと詳しく言うと「会社の卓上でたくさん書き込みして使える実用性とかわいいを兼ね備えたカレンダー」を追求しました。

先の2013年に作成したカレンダーの使いづらいところをひたすら改善した結果、今のような形になっています。
変えられているところはどこか?という視点で毎年の写真を御覧ください。

制作当初からの具体的な改善点
  • 一般的な筆記用具であるボールペンと鉛筆で描き心地が良いよう、アート紙⇒上質紙への変更(2015年版から)
  • 記入欄を大きくするため、なくせる罫線を削除(2015年版から)
  • ケースが有り記入に使えない場所に、イラストを配置(2015年版から2019版まで)
  • ケースが割れるので、プラケース⇒リング式へ(2020年版から)
  • もっと記載欄を大きくポストカードサイズ⇒B6へ(2021年版から)
  • 別の月とめくって比較しやすいよう両面印刷⇒片面印刷へ(2021年版から)
  • 前後月カレンダー新設(2021年版から)

人に聞いてみる

なお、2020年にアンケートを実施して2021版から仕様を大幅に変更しています。アンケート結果は下記にまとめているので、詳細をご覧になりたい方はどうぞ。2021年も実施していますが、ほとんど同じ傾向でした。

2021カレンダーについて

このアンケートで、月曜始まりは人気がなかったため、日曜始まりに変更しました。

Twitterだと質問数も限られ、適当に回答する人もいるため、できればGoogle Formなどを使い、メルマガで実際に使ってくれている方へアンケートを依頼し、実施するとより実態に近い声が聞けます。

毎年続ける工夫

使ってくれる人の感想がモチベーションになる

先のアンケートでは、利用している方の中で、キャラクターへの愛を語ってくださる方もいて、なんだか異様に元気づけられます。いつも愛をありがとうございます。

テーマを決める

カレンダーを毎年作り始めると「毎年同じ月というテーマで絵を描くのに毎年同じ絵ではだめ!」ということに気が付きます。これがけっこう大変です。
毎年描き続けるために、2015年時点からテーマを決めて制作しています。

2015年-食べ物
2016年-数字
2017年-鳥
2018年-乗り物
2019年-かたち
2020年-季節の花
2021年-日本の名所
2022年-お菓子
2023年-果物

テーマを決めて、月ごとに色彩がバラけるよう配置をしていたりします。下図は2022年の例です。

販売計画をたてる

要するに「何月から、どこで、どれくらい売るか」を決めます。
これを決めると、生産ロットや値段が決まります。値段は販売数を左右するので大事に思っています。

カレンダーという商品は、一人で毎年何個も買うものではなく、基本的に必要な場所ごとに1つ購入したらその人の需要はおしまいです。需要は予め上限があるということですね。
なので、「できるだけ早く販売したほうが売れる」商品です。世の中が9月になるとカレンダーだらけになる理由です。
なるべく多くの人に手にとってもらいたいのであれば9月がいいと思っています。早い人だと8月から販売します。

どこで売るかは人によりますが、公式ショップで70%、その他のネット通販で25%、イベントで5%の気持ちで販売しています。(※特に2020,2021年はコロナでイベントが殆どないので、イベントの割合がとても低いです。)
価格を一番安くする、ノベルティをつける、事前に販売予告をするなどして、公式ショップで短期間に集中して販売するようにしています。発送の手間を減らしてコストを下げ、毎年楽しみに購入してくださるお客さまに一番うれしい状態で行き渡るようにしています。

きれいに写真を撮る

ネット通販では、写真が一番大事です!
毎年の写真を見ていただくとわかるのですが、2019年版から背景などを意識して撮影するようになりました。
 ⇒ 

写真が変わると、minneさんやCreemaさんへの特集掲載が増える様になりました。
特集掲載されると、今まで自分の作品を見ていなかった方へもリーチするため、一気に販売数が増えました。
販売数が増えると価格を下げたり、ノベルティを作る原資を作れるので、多ければ多いほど気持ちが楽です。(その代わり制作した直後、カレンダーで物理的に家がカオスになりますが・・・嬉しい悲鳴です。)

ハンドメイド品の販売や写真撮影に関しては、「ハンドメイド作家のための教科書!! minneが教える売れるきほん帖」がバランス良くまとまっていると思うので、こちらも参照されると良いと思います。

制作途中のものを、誰かに見てもらう

作ったものはいつだってはじめは独りよがりです。
コンセプトを決める段階、印刷仕様を決める段階、絵のラフを描いた段階、絵を書き終えてデザインした段階で、誰かに見てもらい、客観的にどうかと聞くと良いと思います。
私はと言うと、いつも制作事例を掲載すると登場する夫に見てもらっています。大体のいろんなことは夫の一言で決まっていきます。この記事も公開前に添削してもらっています。
ありがとうございます、いつもお世話になっています。

来年もいいカレンダーをつくりたい

ここまで長々とカレンダー制作について記載しましたが、こんなに長くカレンダーを作り続けていられるのも、私のカレンダーを毎年使い続けてくださる方がいるからです。
ありがとうございます。2022年もお世話になります。
みなさん、どうぞ、どうか、お元気でお過ごしください。